
「ピアノは好きだから続けたい。でも、時間が足りないだけ。」
そう息子が言ってくれたあの日、私たち家族は「ピアノをやめない」という選択をしました。
「中学受験を控えていても、好きなことは諦めさせたくない。」
そう決意したものの、実は私たち親子にも、一度だけ「もうダメかもしれない…」と諦めかけた日がありました。
前回の記事で、焦りの合間から見つけ出した「息抜き」と「やめない」という決断についてお話ししました。
しかし、その決断は、常に一本道だったわけではありません。
特に5年生の12月、「もうすぐ受験学年」という響きが、私たち親子の心を強く揺さぶり始めたのです。
勉強の負荷は増え続け、「果たしてこのままでいいのか?」という不安が募るばかり。
そんな中で、私たちは「やめない」という選択を貫くために、「ある大きな決断」をすることになりました。
それは、これまでの「当たり前」を一度手放し、「量を減らす」という“勇気ある調整”でした。
この記事では、私たち親子がどのようにその壁を乗り越え、「やめずに続ける」ための具体的な方法を見つけていったのか、そのリアルな葛藤と気づきをお伝えしたいと思います。
きっと、今「
続けたいけど、どうすれば…」
と悩むあなたにとって、新しいヒントになるはずです。
私自身も 「受験生なのに、習い事はどこまで続けていいの?」 と何度も迷いました。
前回の記事はこちらです。
目次
「もうすぐ6年生」の壁:発表会辞退とピアノ教本の一時休止
息子が小学5年生の12月を迎え、いよいよ「受験学年」となる6年生が目の前に迫ってきました。
塾の宿題は容赦なく増え、難易度も一気に上がっていきます。
疲労困憊で帰宅した息子は、疲れが隠せませんでした。
私自身も、毎日の送迎や膨大な量のテキスト管理、息子の体調管理と精神的なサポートで、心身ともに限界に近づいていたように思います。
この頃の「もうすぐ6年生」という言葉は、私たち親子の心に常に重くのしかかっていました。
そんな中、毎年楽しみにしていた「ピアノの発表会」の案内が届いたのです。
例年であれば、新しい曲を覚え、毎日練習に励むのですが、受験学年を迎えようとしている息子には、その心の余裕も、時間的な余裕も、どこにもありませんでした。
「どうする?発表会…。」
私の問いかけに、息子は俯いたまま、小さな声で言いました。
「…今年は、辞退する。」
その言葉を聞いた時、私の胸には鉛のような重さがのしかかりました。
長年続けてきたピアノの、年に一度の大舞台。
それを辞退させるという選択は、親として本当に苦渋の決断でした。
さらに、先生とも相談し、取り組んでいた教本(ブルグミュラー)を一時的にストップし、迫っている卒業式での伴奏2曲(5年生が担当する曲)を中心に練習することにしました。
「やめる」という選択ではなかったけれど、これは私たちにとって、「やめる」にも近い、「一時停止」だったのです。 。
本人の工夫と変化:”続け方”を自分で考える力
発表会を辞退し、教本も休止したことで、最初は少し寂しそうな表情も見せていた息子。
しかし、思いがけない変化が訪れました。
「ピアノの練習時間は【1日30分】と決める」
ある日、息子がそう言って、ピアノの前に向かったのです。
まるで、「自分で自分の心の息抜きをマネジメントしている」ようでした。
それまでは私が「ピアノでも弾けば?」と言って弾き始めることもあったのに、この頃から息子は、
・「今日はどの曲から弾くか」
・「何分弾くか」
・「勉強のどのタイミングで息抜きとして弾くか」
を自分で考えるようになりました。
タイマーのカウントアップ機能を使って。
たとえば、5分はテクニックの練習、さらに10分弾いたら一度ストップして水を飲む。
次の15分は、この曲を弾く。
そんなふうに、自分で“区切り”をつけながら集中力を保つ工夫をしていました。
「テクニックには時間をかけない。」
「オーディション用の曲は重点的にやりたいから15分。」など。
もちろん30分をオーバーしてしまう日もありましたが、時間を意識するようになったのは大きな収穫でした。
「やめる」ではなく「量を減らす」という選択をしたことで、息子タンタンはピアノを
「やらなければいけないもの」から「自分でコントロールするもの」へと、意識を変えていったんですよね。
この「自分で決める」という経験が、自己管理能力や優先順位を考える力として、受験勉強にも良い影響を与えてくれたと、今振り返ると思います。
母の気づき:量を減らす勇気と、やめない決意
息子のそんな姿を見て、私はハッとしました。
「無理に全部を詰め込むよりも、『減らしてでも続ける』方が、よっぽど価値があるのかもしれない」と。
発表会の辞退も、教本の一時休止も、親としては正直、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
でも、その「量を減らす勇気」を持ったからこそ、タンタンは「ピアノを自分で続ける力」を育み、ピアノは彼にとって、より純粋な「心の拠りどころ」として残り続けることができたんですよね。
「やめる」ことは、一度手放せばもう元には戻らない。
タンタンの性格を思えば、絶対に手放してはいけない。
私の中で「息子のピアノ」は死守しなければならないものでした。
「量を減らす」ことは、状況に応じて柔軟に調整できる選択肢。
この経験を通して、私は、子どもが「好き」だという気持ちを大切にしながら、現実的な制約の中でいかに「続けられる形」を見つけるか、そのことの重要性を深く実感しました。
それは、私自身が「やめさせない」と決意したことと、まさに表裏一体の気づきだったのです。
中学受験 時間の意識付け ピアノ編:まとめ
中学受験という大きな節目で、私たちは「習い事をやめない」という決断をし、そのために「量を減らす」という具体的な調整をしました。
そして、その調整は、息子に「自分で考え、自分でコントロールする力」を与え、ピアノを彼にとってかけがえのない「息抜き」として機能させることができました。
「もうすぐ6年生」というプレッシャーの中で、「やめさせるべきか」と悩んだあの時、私たちは何を基準に考え、最終的にどう「やめない」という決意を深めていったのか。
そして、その後の受験本番、そして中学生活へと、ピアノを続けたことが、息子と私たち親子にどんな「意外な成長」と「心の余裕」をもたらしてくれたのか。
私が「中学受験の息子に、ピアノをやめさせなかった“たった一つ”の理由」については、
note記事で詳しくお話しします。
【note記事】中学受験の息子に、私がピアノをやめさせなかった“たった一つ”の理由」
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この続きを読んで、あなたの「やめない」ためのヒントを見つけていただけたら嬉しいです。
なお、わが家はピアノだけでなく“国語の伸ばし方”でも悩み続けた家庭です。
息子の成績が上がった理由を振り返ると、 実は今回の「自分で考える力」が、国語にも大きく影響していました。
その体験談はこちらに詳しくまとめています。
*5年生冬のピアノ伴奏オーディションについてはこちらの記事を読んでみてください。
*5年生の集大成、卒業式のピアノ伴奏についての記事はこちらです。
*中学受験を終えて、ピアノについて振り返った記事はこちらです。
